公聴会意見書

私は、この4月に静岡市から武蔵野市に転入してきた者です。静岡市は雰囲気のある町とはいえず残念に思っておりましたが、ここ武蔵野市に転入してきて、ある懐かしさを覚えております。それは三鷹駅北口前の風情がフランスのパリのメトロの駅前によく似ているのです。こじんまりした楕円形の駅前広場、その真ん中に大きな彫刻、緑の木立、カフェーのようなお店や道路にはみ出さんばかりのお花屋さん、そしてそこから放射線状に広がる道路、信号のない横断歩道を足しげく行きかう人々。それにパリのように高さは規制されておらずクラシックではありませんが、駅前広場を囲むように適当な高さのビルやマンションが大きな道路の周辺に広がりいわゆる商業地域に当たる街を形作っています。さらに、それほど大きくない商業地域に接するように閑静な住宅地域がその周辺に大きく広がっています。
 以上述べましたような三鷹駅北口前から中高層の商業地域へ、そして低層の住宅地域へと広がっていくこの街のあり方は、これで一つのまとまりを作っており、武蔵野市の三鷹駅周辺地域の個性となっており、建物等の高さで言えば女性的ななだらかな山線を作っているように思うのです。中高層の商業地域がその要になっているといってもよく、今後そのあり方がこのまとまりをうまく維持していけるかどうかということと関連しているように思えます。今回の超高層マンション計画は、このまとまりを破壊する方向に働くもので、武蔵野市民が異議を唱えているのは当然だと思います。
 ところで、今回のプランと武蔵野市民の意志が抵触していることについては、平成18年2月に武蔵野市企画政策室が出している「武蔵野市の景観に関するアンケート調査結果報告書」が明らかにしているところです。市内に住む18歳以上の500人を無作為抽出して郵送法で調査しており、回収率が47%(235通)で多少低めですが、武蔵野市民の意思を推し測ることができるものです。平成17年11月から12月までの間の調査であることから、約1年半余経っていますが、その間に市民の意思が大きく変わったと推測しうるような事情はありません。
 以上の調査結果からすれば、今回のプランを容認する者は、全体の3%、意思表示を明確にした者のうちでは4.3%に過ぎません。このような調査を市が自らやっておきながら、その調査結果を重く受け止めなかったのは、このような調査結果をはなから無視するものとされてきたのか、はたまた、市にとって別異のメリットに目がくらんだかのいずれかということになるのではないでしょうか。その点について、市長は明確に答えるべきであると思いますが、きちんとした答えはいただいておりません。また、事業者は、これまで述べてきた点に一定の配慮をしないで事を運ぶことが、結果的には、地域社会の個性をつぶし、調和のとれたまとまりを壊していくことになることを自覚すべきではないでしょうか。
 さいごに、超高層マンション計画は、どう考えても21世紀にふさわしいプランではないと考えます。地球温暖化問題は、省エネ化の徹底を求めていますし、また、防災面での危機管理は待ったなしであります。超高層マンションのとりわけ上階層に住む住民は外出の機会が減少し、周辺の住民との人間関係も減少するという問題の指摘がなされて久しいです。とくに子供や高齢者が心配です。もちろん、超高層マンションの周辺に居住する住民に対しては、日照障害、眺望侵害、風害、電波障害など多くの深刻な被害を与え、高齢社会を在宅で快適に暮らしてきた高齢者たちにとって、この計画はふってわいたような不安を抱かせております。武蔵野市における超高層マンション計画は、これまで地球環境を破壊し続けてきた人間の無謀さを、地球上に異変の兆候があちこちに現れてきているこの時期においてもなお自覚しようとしない、男性支配の思想をシンボル化したものといってよいでしょう。とりわけ、武蔵野市についていえば、三鷹駅周辺地域の環境を守り、かつ地球環境を守るためには、女性的ななだらかで、かつ、しなやかな思想でもって街づくりを行うべきであると思います。以上のことから、私は、超高層マンション計画を撤回し、周囲の街並みとバランスのとれた中高層のマンション計画に変更すべきであると考えます。

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